PRP-FDについて
PRP療法は近年大リーガーのひじの治療などに使用され日本でも有名となっており、注目されている治療方法です。PRP-FD(血小板由来因子濃縮物)治療とは、PRP(多血小板血漿:Platelet Rich Plasma)を活性化と濃縮したものをフリーズドライ化し修復因子のみを使用するものです。
血小板は血管が損傷したとき損傷した場所に集まって止血をする働きがあります。その際に多量の成長因子を放出します。
この血小板の放出する成長因子を使って、治りにくい組織の修復を促したり、早く組織修復を促す方法がPRP-FD療法になります。
慢性化した肩やひざの痛みへの効果も確認されていますし、また、自分の血液内の成分を体内に戻すだけですので、副作用の心配があまり無いのが優れた点と言えます。
関節の変形自体こそ直すことは出来ませんが、手術を行わず自らの治療能力を引き出すことがこの治療方法の最大のメリットです。
PRP-FDに含まれる成長因子により下記①~③の作用を発現します。
①コラーゲン産生:コラーゲンは骨や血管を作るのに欠かせない成分です。
②修復細胞の招集:血小板に含まれる成長因子には、傷の修復に必要な細胞を呼び寄せる性質があります。
③修復促進 :細胞分裂を活性化させ、自己修復機能を一時的に高める作用があります。
リスクについて
PRP-FDの注射では穿刺に伴う関節内の感染、神経・血管損傷、関節内出血やアレルギー反応、注射後の一時的な腫脹の可能性が考えられます。
不安なことがありましたらご相談ください。
手順
診察→採血(血液を49ml静脈から採取します。)→約3週間以降、罹患部位へ注射
PRP-FDの適応
変形疾患 |
変形性関節症 (軟骨がすり減ることで生じる関節の痛み) |
炎症性疾患 |
上腕骨外側上顆炎(テニスなどで起こる肘の外側の痛み) 膝蓋腱炎(運動中、運動後などのひざの前面の痛み) アキレス腱付着部炎(長時間歩く、走ることになどよる踵背側の痛み) |
外傷 |
靭帯損傷(ひざ、ひじなどで起こる外傷) |
治療費について
検査・採血・注射の一連の治療費は、税込み15万円となります。本治療は公的保険の適応外であるため、費用全額を患者様ご自身にご負担いただきます。
診察や必要な検査を行い現在の症状や状態を把握し、適応を確認し、お体の状態によっては実施できない場合がございます。